monkeyの燃料タンクまわりの修理

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monkeyの燃料タンクまわりの修理

2021/4/11から2022/3/12まで11ヶ月放置したら、バッテリが完全死亡、交換してもスタータは回るがエンジンがかからない状態になった。
よくある現象らしい。

バイク屋で、燃料ポンプを交換すると3~4万円くらいになる。
タンクの錆も酷いので、錆取り、コーティングをすると結構かかかりそう。

タンク容量は、5.6L

アルミテープの接着力が強くて、塗装が少し剥げた

漏れることがなくて助かった面もあるので、一概に失敗とも言えない。
塗装面が気にならない場合は最適。
弱い塗装は、剥げることを前提にする。強い塗装でも、剥げるかもしれないと覚悟する。

中古で程度の良いタンクを買った方が良かった

ヤフオクでサビ無しのタンクを24000円で見かけた。

うちのタンクは、環境とかそういうレベルでなく、何か錆びすぎな気がする。
ガソリンが完全に抜けたことがないのに、底も錆びてるのは解せない。
発売前の予約注文なので、最初期に近い。
車台番号は300番台(JB02はモデルチェンジ前のリコールで16755まで車台番号がある。全体数はもう少しあるかも)
最初から問題があったのかもしれない。
そう考えると、交換した方が良かったかもしれないと思った。

ガソリンの処分先をはじめに探しておけばよかった

処分できない場合を考えて、フィルターなどを用意したけど、ガソリンをすべて処分したので結局使わなかった。
最初から処分できることが分かっていれば、もっと簡単に回収できた。

室内で作業するときに、有機溶剤用のマスクをする

仕事でする人は、これくらいの臭いは何とも思わないのだろうけど、
滅多に作業しない人間には、いつまでも鼻に残る感じがイヤなので、
2日目からマスクをしてみたら快適だった。

使ったマスク。
興研 直結式小型防毒マスク G-7-03型
有機ガス用吸収缶 KGC-10型
家に転がってた塗装用のマスク。吸収缶は未開封だけど2002年製(20年前)だった。
ガス濃度がかなり低い状況なので、在庫消化でいいかと思った。一応、臭わない。

塗装用のストレーナーが便利

紙製でナイロンのメッシュがついているタイプ。
売っていた一番細かい#200を使った。
10枚200円。
洗浄液を捨てたり容器に移したりするときに使った。

症状
キーONにしても、燃料ポンプの音がしない。
 スターターは回るが、エンジンは動かない。
メータの燃料表示が不良表示になる。

燃料表示が、内から外方向に流れる場合は、断線(OPEN)。
外から内方向に流れる場合は、短絡(SHORT)。

燃料ポンプが固着してる可能性が高いとは思うけど、燃料量が出ないのが不思議。
燃料レベルセンサーの抵抗が規定を外れてるからだろうけど、ポンプと一緒に壊れる可能性より、コネクタとか電気的接続の問題かもしれない。

フューエルポンプに電圧が来ているか確認する
 12V来ていた
レベルセンサーの端子間抵抗を確認する
 OPEN

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5Pカプラ。ツメが下側にある。コードをコネクタに固定しているハーネステープが邪魔なので、テープを切断したら簡単に外れました。
タンクに向かって左側(緑、黄/白)の抵抗値を測るとOPENでした。
正常値は、20℃で満量7-11Ω、空量384-396Ω
モーターは3Ω弱くらい。

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メインキーをONにして、コネクタ側の黒・茶の電圧を測定します。
約12V出ていました。

ポンプ不具合と、レベルセンサー不具合。
ポンプASSY交換になる。

ついでにタンクの錆びが酷いので錆を落として、タンク内をコーティングしたい。

開口部を塞ぐのにアルミテープがいいらしいと聞いたので、事前に試してみました。

結果としては、貼り方によっては漏れるが、丈夫で良い感じに使える。
ただし、値段が高い。

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左上から順に、
寺岡No.833 0.8 100mm幅、ニトムズ アルミテープS (75mm幅、アルミ厚0.05mm、テープ厚0.1mm)、
厚手アルミテープ(50mm幅、アルミ厚0.08mm、テープ厚0.13mm)、厚手アルミテープ(75mm幅、アルミ厚0.08mm、テープ厚0.13mm)。

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厚い方を継ぎ目ができないように貼りました。
缶を潰して圧力をかけても漏れません。

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薄い方は爪で穴が空く強度ですが、厚手は空きません。
密着させようとこすっていると破けたりします。

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ラップして貼った場合。
激しく振ったり、圧力をかけると漏れました。

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厚い方をフチに沿って貼り付けた場合。
少しも漏れました。円に沿って貼るので、シワになる部分から漏れたようです。
シワができるとそこが流路になります。

ガソリンスタンドでオイル・灯油は引き受けてくれても、ガソリンは引き受けてくれないことがある。
昔は引き受けがデフォルトだったけど、今はそうではないらしい。
エネオスは基本的にダメらしい。

廃棄できないときの代替策
・フューエルワンを入れて動くか試す
・新しいレギュラーガソリンに混ぜる
・ホワイトガソリンの代わりにガソリンランタンやガソリンバーナーで燃やす(1Lで10時間くらい)

近所のガソリンスタンドで引き取ってもらえました。
田舎だと農機具とかいろいろ需要があるから、引き取ってもらえる可能性が高いのかもしれません。

16700-K0F-T01 ポンプASSY.,フユーエル ¥20,900 (webike)
17572-GHB-613 ガスケツト,フユーエルポンプ ¥979 (webike)
17573-KPN-A71 シール,ダスト ¥363 (webike)
17621-MGP-D62 シール,ブリーザー ¥374 (webike)

花咲かG タンク/クリーナー 4,420円(ヨドバシカメラ)
水抜き剤 KURE 2022 ¥221 (ヨドバシカメラ)
WAKOS ワコーズ TAL タンクライナー (V470) ¥7,260 (webike)

ここまでは工賃なしでもかかる費用。3.3万円。
錆を放置していいなら、ポンプだけでいいのだけど、自分で作業するならタンクコーティングまでします。

ここは工賃の代わりに資産として蓄えられるもの。
携行缶は、500mlのしか持っていなくて、ガソリンを変な容器に入れるわけにはいかないので仕方ない。
フィルターももう使わないかも。
あとは、比較的安い小物類。カプラ外しは欲しいと思っていた。

メルテック ガソリン携行缶 10L 縦型 消防法適合品 KHK UN 亜鉛メッキ鋼板 鋼鈑厚み0.8mm Meltec FK-10 ¥4,255 (amazon)
アイガークイックフィルター 9.5L/min F1NC ¥4,026 (amazon)
エーモン 給油ポンプ (ガソリン緊急補給用) 8810 ¥486 (amazon)
79H50X18 マスキングテープ ガラス用 79H 50mmX18m 2巻入 438 円
79H24X18 マスキングテープ(ガラス用) 79H 24mmX18m 5巻入 552 円
エーモン 2381 ハーネスカプラーハズシ 217円(ヨドバシカメラ)
エーモン オイル受皿 8L 8809 ¥810*2
持っているけど、タイムセールで2個買ってしまった。この大きさ、整備には小さいかなと思うけれど、そこが便利。

KTC ディープソケット 9.5 10mm
燃料ポンプを取り付けるナットスペーサーをトルクレンチにつけるため

バイクカバー ユニカー工業 BB-702 Mサイズ 6,800円

基本的な工具とかテスターとか。
ソケットは、10mm, 12mm(9.5sq)
T型ハンドル
ラチェット
テスター
ウエス
養生テープ

正常なポンプの抵抗値を測っておきます。

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最も下がった状態での抵抗値 最も上がった状態での抵抗値 ポンプの抵抗値
9.2Ω 386.3Ω 2.2Ω

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燃料ポンプのシール。

バイクカバー探しておく。
タンクとかを外したまま駐輪すると怪しいから。
ユニカー工業 BB-702 Mサイズ 2011年購入 6,800円
以前 APEに使っていたカバー。APEが盗まれてからは倉庫にしまっていた。10年前くらい放置していたカバーだけど、特に問題なく、サイズも合いました。
まだ現行商品らしい。

作業

ガソリンが満タンで入っているので、抜いてから外します。

携行缶にポンプで抜く。携行缶もポンプもガソリンに使えるもの。
また、携行缶にはフィルターを通して入れる。面白い燃料用フィルターが売ってたので買ってみた。
サビが混じっている程度だったら、単純なフィルターと違いが良く分からない。
水も分離できるらしい。

抜いたガソリンは携行缶に入れて、作業中はバイク下に置いておく。
カバーがあるので、ぱっとみ分からない(風通しはいい)

当初、ガソリンは再利用しようと思っていたけど、結局処分することになったので、フィルターを使う意味はなかった。

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給油口からガソリンを抜こうと思ったけど、邪魔なものが多く狭くてホースが入らなかった。
まず、タンクを外してから、ひっくり返して、底側から抜くことにしました。
底側はフューエルポンプの穴が大きく空いているので簡単に抜けます。

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そのままタンクをスライドさせるとフレームを擦ってキズが付く。(すでに傷が付いています)

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ウエスで保護しました。
一週間くらい放置するので、開口部は一応塞いでおきます。
ドレンはもともと開放なので、なにもしなくても問題はない。

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ひっくり返しても基本的にはダダ漏れはしないけど、多少は漏れる。
シールが弱ってるとダダ漏れするかも。

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燃料の引き抜き時にフィルターに残った錆。
燃料と一緒に流れてきた分でもこれくらいある。

少しタンクに燃料が残っていたけど、30分くらい放置(気温20度晴天)したら、液体として認識できるレベルではなくなった。
数十mlくらいは、簡単に揮発するらしい。

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湿っていると思う程度には残っているので、屋外でしばらく放置します。
ポンプも蛇腹のところに燃料が残っているので、一緒に放置します。
ポンプは錆まみれだし、燃料が揮発したら、そのまま廃棄します。

気になること
ナットを外す前から、ポンプの下面が湿っていた。
漏れていたら臭いで気づくと思うので、燃料ホースを外したときに中に入っていた燃料だと思う。
外す前に撮った写真では濡れているように見えない。

メモ
給油口の後方の穴は、余剰な蒸気をチャコールキャニスターにおくるパイプ。左下に出る細い方。
給油口の側方の穴は、ドレン。右下に出る太い方。給油口から見えるパイプ。

1日放置したけど、タンクはまだ臭い。
中性洗剤で洗浄。安定のバスマジックリン。
3回くらい洗ったあとの状態。

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tank.jpg

高圧洗浄機を使ったら、もう少しキレイになったかも。
花咲かGを入れた後に、高圧洗浄機の存在を思い出した。

花咲かGで洗浄

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バケツに作ると、注ぎ口が無くて垂れるので、あまり良くない。
オイルジョッキは使いやすい。2Lのものを使ったけど、5Lだったらバケツ不要だった。

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下側を塞いだ後だったので、給油口から入れました。
揺すったりしながら、すり切りまで入れてみましたが、ちゃぷちゃぷと音がします。
上に空気は残っているようです。

タンクの形状


ざっくりと、タンクの中身を図示するとこのような感じ。

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空で転がってた適当なケースが丁度良かった。
アイリスオーヤマ MBR-22
内寸 430x310x158

20時間後。
給油口から見えるところは赤錆はなかったが、黒錆はあった。
木ベラで擦っても取れる気配が無かった。
コーティングする予定なので、取れないなら取れないでそれでいい。

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ひっくり返して、底から補充しました。
こちら側から入れても空気は残ります。

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アルミテープで塞ぎました。
漏れないけど、粘着力がそこそこ強いので、弱い塗膜は剥がれるようです。
給油口のクリアが吹いてあるところは大丈夫ですが、底の薄く乗っている白い塗装は剥がれました。
テープ跡に見えるのは、メーカー出荷時の塗装のものです。

2日ほど経過したので、液を抜いて確認してみました。
洗浄前で、給油口周りに少し錆が残っています。下部はきれいに取れています。


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高圧洗浄機で洗ったら、結構取れました。まだ残っているので、排出した液を戻して、もう一度放置します。

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緑がかった茶色。おそらく、最初に高圧洗浄機で洗っていれば、こんなに汚くならなかった気がします。

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給油口はこれ以上は落ちない感じ。磨けば綺麗になると思うけど、どうするか悩む。

一日経ったので抜いてみた。
上側はだいたい綺麗になった。給油口から見たらポンプまわりにもサビが残っているらしい。

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そろそろ許容範囲かと思うけれど、
せっかくなので、液を戻して、もう少し放置します。

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確認

2カ所錆が残っている。
ブラシで物理的に擦り落とした。ほぼ落ちた。
もう今週はコーティングまで処理できないので、最後にもう1日洗浄します。

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最後と思って3/4くらいの量で1日洗浄剤に付けていたら、使ってない部分がポツポツ錆が出た。
ちょっと弱くない?
給油口側なので、底側から少し真鍮ブラシで擦って終わり。

バスマジックリンでジャブジャブ洗浄。
高圧洗浄機で当たるところは噴射。

その後、ひたすら水ですすぐ。
泡は消えても、細かい錆片が1,2片くらいずつ出てきたので、出てこなくなるまですすぎ。

ウエスで垂れる水分を取ってから、エアを吹いて乾燥させる。
湿気が見えなくなったところで、水抜き剤を1本投入。
ひたすらシャッフル。
今回は多少漏れてもいいので、マスキングテープで塞いだら、やっぱり漏れた。
前と同様にウエスで垂れる分は拭き取る。

常温で乾燥。

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シリンジとチューブは1回目の後に洗うらしい。
200円くらいなので、洗わずに使い捨てます。
カップも塗装用カップで使い捨てます。

主材8:硬化剤2 (240ml,60ml)
5Lタンク 80ml+20ml=100ml
抜き出し60ml以上
数時間放置したら黄色く少し錆が出てきた。
1週間くらい放置してからコーティングするか考えようと思っていたけど、
すぐにコーティングすることにした。

エアで少し乾燥させてから、コーティング。

乾燥は、ドライヤー等と書いてあったけど、ふとん乾燥機を使うことにした。
出口温度で65度くらい。60度ちょっとにしかならないので安心。
あと、タイマーが付いているのが良い。

とりあえず30分・高温で設定。
一番溜まっていたところは、表面は固まっているけど、ぷよぷよした感じ。

もう15分。
まだ足りない。
+15分。

合計1時間でそれなりに硬化しました。

2回目の施工をして、今度は最初から60分設定で乾燥。
その後、1週間室温で放置しました。

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テープを貼ったりしていたせいで、凹凸ができていたので、それなりに平らにしました。
やっぱりアルミテープの粘着は強かったですね。
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シールをはめ込んで、エンジンオイル塗布。

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取り付けのナットは12N.mのトルク指定があります。

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ついていたテープは切ってしまったので、ハーネステープで固定しなおしました。
たぶん、振動による疲労で断線しないように止めているだけです。
外すときには邪魔だけど、付けるときの支障にはならない。

取り付けて、ガソリンを入れたら、問題なくエンジンがかかりました。
FIとかは詰まってなかったようです。
直後と、少し走った後と、数日後に確認しましたが、燃料漏れはありません。

トータル4万円くらいで遊べたので、いいかな、という感じ。
途中で、程度の良い中古タンクを買った方が楽だと気づいたけど、遅かった。
ポンプが死んでいると2万円するので痛い。

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掃除してフィルタくらいの交換で直るかと思いましたが、ポンプ本体が錆だらけでした。
ポンプは単体で部品が出ないので、ASSY交換になります。
したがって、使えるパーツはありません。全部ゴミです。

燃料レベルのセンサーは、おそらく端子が錆で導通していないのだと思います。
しかし、直したところで使いようがありません。

ポンプが燃料から露出していたことはないはずなのに、なぜこんなに酷く錆びたのかは謎です。

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  • 最終更新: 2022/06/11 00:04
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