配管技能検定

配管技能検定

建築学科を卒業していれば実務経験なしで2級まで受験可能です。
建築学科に在学中でも3級は受験可能で、3級合格後は2級の受験が可能です。
1級は実務経験が必要です。

試験内容についての情報が多いのと、重量級の設備が要らないので、独学でもなんとかなります。

パイプバイス
何でもいいけれど、あまり大きいと邪魔です。
1級の人は、鋼管を使ったチェーンパイプバイスが多い印象。

ねじ切り機
ねじ切り機は、REXの2R型が定番です。
オスタ型だと15A,20Aでチェーザを変える必要がなくて作業効率が良いのかなと思いますが、使ったことがないので分かりません。

個人的な好みとして、曲尺を多用するので、
50cmと15cmの曲尺を使用します。裏表同目がいいです。
15cmの曲尺は便利なのでおすすめです。

50cmでは足りないし、曲尺が使いにくい場面もあるので、コンベックスも併用します。

パイプレンチは、350mmが適当です。
コーナーレンチは好みで。私は使わないです。

ヤスリは、幅は広い方がいいと思います。平のみ。丸を使う機会はありません。
基本的にバリ取りくらいにしか使わないので、荒目がいいです。
ツボサンの平荒目が良い感じ。長さ300mm 幅30mm。
マジカットよりは合ってた。

モンキーレンチは好みで。
モーターレンチはいらないかな。
薄口でないとダメなケースもあるけど、安定性に欠ける面もあり。
重さと長さもある程度あった方がトルク感を感じやすい。
自分が使っているのは、スーパーツールの30年以上前のレンチ(300mm強化型。親の引継ぎ工具)。今もだいたい同じものが売ってるらしい。

金切りのこ
洋ノコ型で、刃長300mmがおすすめ。
刃の山は、32山が楽に切れます。
金切りのこは押切りが基本です。

採寸

まず原寸図は書きません。少なくとも2級はそんな余分な時間はありませんし、必要もありません。
必要な寸法はだいたい記憶しておきます。

JIS K 6743 : 2007 水道用硬質ポリ塩化ビニル管継手
JIS B 0203 : 1999 管用テーパねじ

用語等

おねじ:管にねじ込む方。普段、ねじ切り機で作るのはおねじ。
完全ねじ部:山頂・谷底が完全な形状の部分。面取り部分(1ピッチ以下)を含める。
不完全ねじ部:谷底は完全だが、山頂が足りない部分。
切上げねじ部:谷底が完全でないねじ部
有効ねじ部:完全ねじ部+不完全ねじ部

ねじと管の対応

ねじ部のインチ SGPW VP
1/2 15A 13A, 16A
3/4 20A 20A
1 25A 25A

ねじのピッチ

1インチあたりピッチ
1/2,3/4 14山 1.8143mm
1 11山 2.3091mm

テーパー

1/16。16mm進むと1mm高さが変わる。
片側だと、1/8。

ねじの基準面

めねじ
 管端±約1.25山
おねじ 

1/2 8.16mm (4.5山) ±1山
3/4 9.53mm (5.25山) ±1山
1 10.39mm (4.5山) ±1山

基準面でおねじとめねじが合う計算。
さらに8mmすすめば、0.5mmめり込むことになる。

SGPでは、手締めで4.5または5山ねじ込んで、そこから1.5山増し締めが標準手順。
鋼管は基準面以上は手では入らない。
ねじ切りの確認でも同じく手で入るのが4.5山ならいいねじ。規格上は±1山はOK。

REXの2R型が一般的なようです。
1/4~1 1/4 まで切れます。

中古で購入して、ケースとチェーザを交換しました。

出だしで噛みにくくなります。
そうすると、作業時間が余分にかかるので、仮のねじ切りですぐに噛まない場合は交換をお勧めします。
噛みやすい刃の出具合があるような気がしていますので、単に調整が悪いだけかもしれません。

多少摩耗したチェーザでも実用上は困らないねじ切りができます。
ただし、作業時間が余分にかかるので試験には使わない方が良いです。
(試験以外では手切りなんてしないという話もある)

300mmのハクソーで、32山の刃をお勧めします。楽に切りやすいです。
本番は新品の刃をおすすめします。

TSバルブソケットは、ねじの始まりまで幅があるので、結構ねじ込める。
引っかかるところから数えると、4.5山+1.6山で大丈夫。

呼径13
外径24.0mm
ネジ部内径13mm
呼び R 1/2
基準径(外径) 20.955
ネジ山 14 / 25.4mm
基準位置 8.16mm
有効ネジ 最小13.16mm

JIS K 6743

シールテープは3~4回巻きが標準的らしいけど、5回巻いている。

ねじ込み量は、トルクで判断。
レンチが滑りそうなトルクのちょっと前まで締めれば、まず漏れない。

シールテープ

0.1mm X 13mmが標準です。

各社のシールテープを比較しました。

  • 三栄
  • アサダ
  • 中興化成(スリーボンド)
  • 日東

柔らかさ
中興>日東>アサダ>三栄

柔らかいとたくさん巻いてもねじ込みやすい。
柔らかいと切れやすい。

3級はアサダを使うことにしました。

2級課題では、メスアダプターのところのシールテープに支障が出ることが多いので、
熱に比較的強い(ほとんど変わらないけれど)日東にします。

TS接合

VP13 の場合、継手受口長さは26mmが標準。ストッパーまでの長さ。
ひねらずに差し込む
30秒保持する(標準時間)

私は23mmとしています。
完全に入れば26mmなのですが、そこまでは入らないことが多く、そうすると全体が長くなってしまうので、安全圏として23mmとしています。
23mm入れると、Z寸法は15mmになります。計算もしやすいです。
ただし、油断すると入れすぎることもあるので注意が必要です。
片側が未切断の場合は、あまり気にせずに入るだけ入れます。

接着剤
セメダイン 塩ビパイプ用A 100gを使っています。すぐ使い切るので、仕事では使わない量だと思います。
接着剤は多めでも困らないので、多めにしておきます。
ただし、水栓ソケットははみ出すとソケット側に流れるので注意(そこまで多くはしないと思いますが)

差し込むパイプの外側の面取りが重要。少なくとも1mmは削る。

差し込むときは、ひねらずに一気に入れるのが標準です。
回しながら入れるとかいう手順も見受けますが、教科書的には違います。
まんべんなく接着剤を行き渡らせたい意図かもしれませんが、そんなことをしなくても行き渡ります。
それ以上に、回しながら入れると入れにくいと思います。適正量が入らない方が漏れの原因になります。

塩ビ切断

体の正面で切るようにする。そうすると切断面が斜めになりにくい。
(建築の学校で習ったカッターの切り方)

端を切るときは、靴などを利用して水平にすると良い。

難しくないので、VP13を斜めに切るようなら手技に問題あり。

チェックポイント
・まっすぐ切れている
・面取りをしっかりできている

2級材料

SGP 20A 700mm
200 400
SGP 15A 400mm
300
13VP 2000mm, 500mm
300 250 250? 400 100 250? 100 175 125 125 125
銅管 1/2 600mm
200 185 100 75

銅管ハンダ付け

配管に限らずハンダ付けの基本。
1.接合する部材を温める
2.ぬれ性を利用してハンダを流す
3.温度を保ち均一にする
4.固まるまで動かさない

温度と時間の管理が肝心です。

配管の場合。

加熱時の温度は炎の色や銅管の色で判断する。
銅は、還元炎内(炎の内側の酸素が足りない部分)で250℃に熱すると還元します。そうすると、きれいな銅色になります。これが適正温度です。炙っている面がこの色になったら良いタイミングです。
炎が緑色になるまで炙ってもいいですが、ちょっと温度が高くなるので、養生が心配になります。

ハンダは炎で溶かすのではなく、部材の温度で溶かし込みます
炎で溶かしてしまうと、銅管の隙間にうまく流し込めません。
ハンダは炎であぶった反対側から流し込みます。これは、溶けたハンダが高温の方に流れるためです。

向きは、可能であるなら、炙るのを下側、ハンダを流すのを上側にすると重力も利用できて良いです。

銅管(メスアダプター)とVPソケットの養生

熱が加わり過ぎると、緩くなるので、確実に漏れます。
おそらく、銅よりもVPの方が熱膨張率が高いので、熱い間は銅管にみっちり填まるが、その後冷えたときに隙間が生じるのだと思います。

これはシールテープによらないのですが、シールテープに熱が加わったときの状態もメーカーによって異なる感じがします。
熱を過分に加えたときに次のような違いがあるような感じです。
VPにも銅からも剥がれて、まっさらな感じで剥がれるタイプ、
熱が加わらなかったときと同様の感じのタイプ。

基本的に養生をしっかりして過剰な熱を加えないのが一番です。
・したたらないくらい絞って、しっかり巻き付ける。できるだけ隙間を作らない。
・その上からウエスで水を絞り掛ける。垂れるぐらい掛ける。
できるだけ、隙間無く水で満たすことを目指します。

試験では使えませんが、耐熱ジェル、コールドシールドというものがあります。水分を多量に含んだジェル状の物質です。
つまり、高い密着度で多くの水分を与えるのが肝要です。

だいたいどのメーカーも40%程度の塩化亜鉛水溶液のようです。
あと、塩化アンモニウムと塩酸が入っているので、過剰に熱するとアンモニアと塩化水素が出ます(死ぬほどは出ません)。

フラックスを付けないと、まともにハンダ付けできません。
銅管用のハンダはフラックスが入っていないので、ぬれが悪くて、まともにはんだが流れません。

配管内に入らないように、管端や継手側には塗らないのが標準です。
入ったところで分からないので減点されることはないでしょうが、そうする必要もありません。

製作等作業試験 70
計画立案等作業試験 30

合格基準 60

計画立案等作業試験。いわゆるペーパー試験、材料取りです。
私が良くするミスは、0.xx m を、x.x mと誤認することです(三角スケールが0.1m単位で切ってあるので)。
2級は、チェックする時間の余裕はあるので、一通り計算した後に確認すれば良いと思います。
材料取りの長さは、期待値±10%は許容されます。

それぞれ、4割取れないと落ちます。製作 $70*0.4=28$、材料取り $30*0.4=12$ が下限です。
当然、製作は30(減点40)を切ったら合計点が足りなくなります。

水圧試験は1.75MPaです。

手順はいろいろあります。
書籍のアレンジ版です。銅管の切断時期が早いのが特徴です。

鋼管ねじ切り→銅管切断→鋼管組み立て→VP組立→銅管ろう付け
という手順です。

まず、疲れる鋼管切りを片付けてから、銅管をある程度片付けてしまう手順です。
銅管をまとめてろう付けするので、銅管接続の所要時間が短いですが、VPに熱が多くかかりがちになります。十分なVP養生が必要です。

練習では2h20mで終わりましたが、本番は2h33mでした。

尚、2mm(1回転)までの誤差は気にしていません。それくらいでは試験には落ちません。

VPの寸法は、23mm差し込む前提で計算しています。標準は26mmです。
この前提のため、Z寸法は15mmで計算しています。標準まで差し込むと3mm足りなくなるので注意が必要です。
これは、26mm差し込めないと寸法が狂うので、安全のためです。
23mm差し込めば、普通は漏れません。

試験時期が冬で寒いので体を動かして温まる、鋼管をねじ切るのが一番疲れる、ということで最初に片付けます。

20Aの両端を仮でねじ切り(チェーザは開始前からこのときの状態にしておく)

165mm, 365mmで切断(長さはねじ切りにも因る)
写真は165mm部分の切断中。

写真は、365mmで切断中。

切ってない端を仮でねじ切り

長い方も仮でねじ切りします。

チェーザを適正に調整します。
4カ所の本番のねじ切り

チェーザを15Aに交換します。
15Aの片側を仮でねじ切り

265mmで切断

切断側の仮のねじ切り

チェーザを適正に調整します。
両端を本番のねじ切り

銅管を適正サイズで全部切る(銅管のTはZ寸法が短いので注意)
メスアダプタをハンダ付け
メスアダプタにVPソケットを付ける

(本番ではここで1hで休憩になった)

やとい管を作る(鋼管の直角を出すときに使います)
2mのVPから400mmを2つ切る(2mは邪魔なので短くする意図もあります)
ソケットを付ける

15Aにエルボと径違いエルボを付ける(長さが300mmになるように調整する。角度を調整する。)

20Aの短い方に、T、ニップル、径違いソケットを付けて、まとめてねじ込む

反対側に径違いTを付ける(長さが200mmになるように調整する。角度を調整する。)
VPは角度の目安のため(テープは巻いていない。VPを使って回すのは避ける)

20Aの長い方に、15Aで作ったものを付ける(15Aを使ってねじ込んでも問題ない)
20Aの短い方を長い方にねじ込む(長さが400mmになるように調整する。角度を調整する。)

鋼管の垂直方向2カ所にソケットをつけておいたVPを付ける。
鋼管の中心から110mmで切る

VP間の長さを測る。500mmが適正。

VPに、エルボと、T(直線側ではない方)を接着する。
それぞれ、250-15=235mmで切る。

これの真ん中にTを取り付ける。
新しいTの直線側に、エルボを付けたVPを接着する。床に押しつけて向きを合わせる。向きに注意。
Tの反対側にTを付けたVPを接着する。床に押しつけて向きを合わせる。向きに注意。

これを鋼管に取り付ける前に、もう少しVPを組み立てておきます。その方が取付やすいです。

真ん中のTにVPのあまりをつける。100-15=85mmで切る。
端のTにVPを新しくつける。175-15=160mmで切る。

鋼管に組んだVPを付ける

500mmで支給されたVPにソケットをつける
鋼管の水平側に付ける。
300-15=285mmで切る

銅管の下側ソケットにVPを付けて、125-15=110mmで切る。
エルボを付ける
鋼管の付けたVPに接着する(垂直を出す)

銅管の中央部とVP中央の距離を測る。427mmが標準。427mmで入りそうなら、そうする。

銅管中央にVPを付けて、427-15=412mmで切る。
エルボを接着
VPを本体に接着

銅管上部の距離を測る。500mmが標準。入るなら500mmにする。

銅管上部にVPを付けて、500-15=485mmで切る。

Tを付ける前に、水栓ソケットにVPを付けて、100-15=85mmで切って、Tに付ける

銅管上部のVPにTを付ける
本体に接着

銅管をやすりがけ
銅管にフラックスを塗って、継手を差し込む
VPソケットを養生する
まとめてハンダ付け

完成

配管練習メモ

(準備で15A切断:4:27)

部品の計測と現寸図の作成:12:36
鋼管+バルブx2:53:38
 ねじ切りは、片方は少し足りなくて3回切りに。
 ティーにねじ込むまえに50mmのラインを書き忘れて、1回テープまき直し。
横水栓まで:96:39
 短辺側から作った方がよかった。
 C寸法を勘違いして短辺が4mm短くなった。
完成:101:17
片づけ:114:02

制限時間は135分。

2級練習

2級は標準2h30(150分)、打ち切り2h50(170分)

1回目
3日に分けて一通り作業。
メスアダプターから漏れた。

漏れたメスアダプターに繋がっているVPを作り直し。
漏れなくなった。

2回目
メスアダプタから漏れた。
熱らしい。

メスアダプターとVPソケットの養生部分だけテスト。
シールテープをアサダから日東に変える。

3回目。160分。
水圧試験OK。
SGP15Aの長さが1cm長くなった。計算ミス。
2段目が短くなった。
手順重視で長さへの注意は少し下げていたので、まぁいい。
ひとまず合格圏にたどり着いた感じ。

SGP15Aを付けるときに20Aが回ってしまって付けた直した。
20Aの真ん中のティーは15Aの後がよさそう。

2つめのねじ切りを仮切りしないようにしてみた。
20Aは噛みにくくてちょっと辛い。15Aはアリ。

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  • 最終更新: 2022/12/22 00:12
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